イズミのスーパーマーケット1号店は繁華街、2号店は広島駅前へと出店。当時は地の利が良いところに店を出すのが当たり前の時代だった。1960年代半ば、自動車はカラーテレビと並んで、「一家に一台」と言われた憧れの存在。普及はまだまだだったが、いずれ車社会が来ると考え、イズミが作ったお店が、郊外に広い駐車場を備えた広大なショッピングセンターである「祇園ショッピングセンター」。いまのショッピングモールの原型です。結果、この試みは大成功。
時代の変化についていこうとして、待っていれば大きな失敗もないが、成功もない。であれば自分から流れを作りだせばよい。イズミは、現状に満足することなく、日々新しいことにチャレンジすることで、成長してきました。

無理だと思う状況も「行動」すれば必ず一変する。「いづみ１号店」を広島で一番店にするために増築を重ねていましたが、隣地の角地がどうしても手に入らない。大手企業が管理している物件です。ですが、逡巡しても始まらない。当時から著名な実業家だった相手の懐にあえて飛び込み直談判を実行。何度も訪問し、ついにトップ会談にこぎつけました。その時でた答えは「今の土地よりもちょっと大きくて、立地の良い場所を用意してくれるなら」。この角地は「超」がつく一等地。相手はこちらを諦めさせるために言ったのかも知れません。しかし、答えが無いよりはるかに行動の余地がある。とにかく市内を駆け回り、ついに先方の要望にあう土地をみつけ、交換の成立にこぎつけることができました。そして「いづみ1号店」は地域一番店にふさわしい店舗になりました。
夢を目前に「解決のしようがない」袋小路に陥ることは誰にも起こり得ます。しかし「念ずることは実現する」。信念を持って行動を起こせば、解決の糸口は必ず見つかる。そこから状況は、自分が望む方へと変えていけます。

思い立ったらすぐ動く。すぐ動くからスピードが上がる。変えること、挑むこと、全てにおいてスピードを大切にしています。長崎のウォーターフロントにある「ゆめタウン夢彩都」。この場所に出店できたのは、今の今を疎かにしなかったから。当時の開発担当者がこのウォーターフロントを再開発する話を耳にした。
その報告を受けた時に、広島にいた創業者は翌日には長崎を訪問。相手の方も驚くスピードです。その後県知事とお会いした時も同じ。一刻も早く、と長崎へ向かったことで、話が次々と進み、この地に出店が決まりました。瞬間、瞬間を大切に。一つひとつの物事に真剣に即応することで必ず前進することができます。